ストレスを知る
過去に、ストレスに対する思考(認知)の考え方を書いた。
今回は、ストレスに対する身体、行動、気分の反応について書く。
ストレッサーとストレス反応
ストレスのモデルは、ストレッサーとストレス反応で描かれる。
ストレッサーとは、自分に対してストレスを与える環境や原因となるもの。
「親からの注意されるのがストレス」「上司から小言がストレス」「人前に立つのがストレス」というように、日頃から何か嫌な思いをしているものでもある。
ストレス反応は、そのストレッサーからストレスを受けて起こる自分自身の反応である。
例1:「親からの注意された」結果、イライラし、強い口調で返す。
例2:「人前に立った」結果、不安になり、緊張して、声が小さくなる。
ストレス反応の4分類
このストレス反応は、4つに分類ができる。
1つは、思考(認知)であり、以前に詳しく述べた。
認知療法を学んできた - 黒猫のひとりごと
スキーマ(思考のクセ)を知る方法 - 黒猫のひとりごと
その他にも3つあり、ストレッサーからストレスを感じた時には、身体、行動、気分に反応が現れる。下の表は分類の一例である。
(各分類は、密接に関連しているため、どちらにも入る要素もある)
自分で振り返ってみて分かったが、思ったより多くのストレス反応が当てはまる。一覧で書くと、自分のストレス反応に当てはまるものがいくつも見つかる。
行動 | 外見に気を使わなくなる、貧乏揺すり、うろうろする、攻撃的になる、ミスが増える、生産性が落ちる、口調が変わる、独り言が多くなる、アルコール・タバコの量が増える、過食、食欲不振、引きこもる、寝れない、眠りが浅い、たくさん寝てしまう、声が小さくなる |
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身体 | 頭がボーっとする、頭痛、首や肩のコリ、目の疲れ、耳鳴り、だるい、口が乾く、歯ぎしり、奥歯を噛み締める、周囲が気になる、胃痛、便秘や下痢、汗を書く、手足が震える、動悸、呼吸困難、胸が苦しい |
気分 | イライラ、不安、悲しい、無気力、憂鬱感、やる気がでない、無感動 |
このストレッサーと、ストレス反応を知ることで、自分がどんな場面でストレスを感じているかを知ることができる。
ストレス反応、ストレッサーを知る
ストレス反応から、自分の知らないストレッサーを知ることもできる。
自身の例で言えば、知らず知らずに貧乏ゆすりしている自分に気がついた時に、今まで明確にストレスだと思っていなかった「会議のペースが遅い」ことにイライラしている自分にも気がついた。普段は、イライラしていることもその場が終わると忘れてしまうが、ストレスは少しずつ溜まってきてる。自分の気がつかないストレスは、慢性的なストレスとなり、知らないうちに溜まっていく。ストレス対処をするためにも、自分にとってのストレスをよく知る必要がある。
自分のストレスを知ることの利点
自分のストレッサー、ストレス反応を知ることで以下の利点が生まれる。
・ストレス対処できる
・コミュニケーションにも使える
ストレス対処できる
ストレッサーに直面した時に、それがストレスだと認識していることで、ストレス対処ができる。過去に、ぐるぐる思考について触れたが、過去の理不尽な事を思い出して、自分自身でストレスを感じてしまった場合でも、自身のストレス反応に気がつけば、止める対処がうてる。
ぐるぐる思考を止める方法 - 黒猫のひとりごと
ストレッサーを避けられる場合ならば、避けることもできる。ストレス反応が確認できた時には、休息、気分転換するなどの対処を適切なタイミングで実施できる。ストレスを溜めずに対処するにはまず、知らなければいけない。
他人とのコミュニケーションにも使える
思考(認知)や、気分は外に現れないが、身体や行動は外に現れるものもある。同僚や、部下のストレス反応を見ることで、他人を知り、気遣うことでコミュニケーションに使うことができる。ストレスを知ることは、自分にも、他人にも有効である。
大体の人は、多くのストレスを感じており、そのストレスが何か知っている。
しかし、「ストレスを紙に書き出してみろ」と言われると、案外書けない。
それはストレスがかかっていないのではなく、ストレスと自覚することが少なく、見逃しているからだと思う。
自分を見つめ直す前に、自分にとってのストレスを洗い出してみるのがよい。

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