寝付きをよくするための筋弛緩法
筋弛緩法とは、緊張している筋肉を緩めてリラックスする方法。
質の良い眠りのための習慣で、呼吸法に触れたので、自分がやっているやり方を書く。この筋弛緩法は、ちゃんとした方法をやろうとすると40分以上かかってしまうため、寝る前に簡易的なもので済ませている。
これも腹式呼吸と同じで、身体から気分を変える方法である。
人間は、不安や緊張を感じると、筋肉が緊張状態になる。また、体の筋肉が緊張状態だと、脳は本能的に警戒状態になるため、より不安や緊張する気分となる。
そのため、身体(筋肉の緩和)から気分(リラックス)に影響を与えて、寝付きを良くしている。
(・・・またこの図)
また、筋肉の緩和に意識を向ける事で、不安や緊張からそらすことも同じである。
筋弛緩法
やり方は簡単。筋肉に力を入れて、緩めるだけ。
筋肉に力を入れる緊張フェーズを5〜7秒続ける。
それから、息を吐いて力を一気に抜く。
筋肉を緩める弛緩フェーズ10〜20秒続ける。
この時、筋肉が緩んでいる状態を感じることが大切である。
また、息はしっかり吐いた方が力を抜きやすい。
自分は寝る前に寝ながら行っている。
腕だったら、手を握って、少し浮かせて力を入れる。
脚だったら、つま先を伸ばして、少し浮かせて力を入れる。
肩や背中も力を込め、筋肉を収縮、および緊張させてから力を抜く。
顔の場合は、笑うように口角を伸ばしたり、中心に力を向けて顔くしゃくしゃにしたあと、力を抜き無表情になる。人前でやるのはオススメしない。
なぜ、力を込めるのか?
いきなり「力を抜いてください」と言われても、どの状態が力が抜けているかが分からない。そのため、一度力を入れた状態を作ってから、一気に力を抜き、力が抜けている状態を作る。つまり、力を抜くための勢いをつけるため、一度筋肉に力を入れる。
筋肉が緩和した状態を確認する
一番大事なポイント。
筋肉から力が抜けて、緩和した状態を確認し、それを体で覚えることが重要である。この感覚を覚えて、緊張を感じたら、緩和状態を作り出せると一番よい。
力加減は、60%〜70%
筋肉に力を入れる時は、力一杯、力を込めてはいけない。筋弛緩法は、力を入れることが目的ではないため、力を込めすぎて、疲労してはいけない。
利き手、利き足から始める
利き手から始める理由は、利き手の方がコントロールしやすいためである。その方が、筋肉を緩めた状態を実感しやすいためである。
継続した練習
継続して練習を行うことで、緊張フェーズを踏まなくても脱力による緩和状態を作り出すことができる。何回もやって、筋肉の緩和状態を体で覚える。
すべての人に寝付きがよくなる効果があるかは、分からない。しかし、自分はこの筋弛緩法の後に自律訓練法を続けてやる事でかなり寝付きがよくなった。今まで、なかなか寝れなかったが、今では15分とかからず寝れるようになった。お手軽なので、一度やってみる価値はあると思う。
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不安や緊張を解消するための呼吸法
感情は呼吸に影響を与える。
不安が高まってくると、呼吸が浅くなり、回数も多くなる経験をした人も多いはず。逆に、呼吸を整えれば、感情に影響を与えることができる。
認知の話でも触れたが、思考、身体、気分、行動は相互に関連している。この場合は、気分(不安)が身体(呼吸を浅くする)に影響を与えている。しかし、身体(呼吸を深くする)が気分(リラックス)に影響を与えることができるということである。
自分は、よく緊張している人を見かけて、「深呼吸したら?」っと声をかけていたが、あんまり意味を分かっていなかった。気分より先に呼吸から整えるためだったのだ。以下の方法は、「深呼吸」と言えば「深呼吸」だが、より効果のある「深呼吸」をするための方法をまとめる。
(・・・とはいってもただの腹式呼吸である。)
鼻から吸って口から吐く
呼吸の仕方は、鼻から吸って、口から吐く。鼻から吸っている時は、口を閉じ、口からは吸わない。口から吐くときは、細く長く吐く。息は最後まで吐き切る。「ハァー」ではなく、「フゥー」とロウソクを吹き消すような感じがよい。「フゥー」と吐く理由は、息を吐く量を調節しやすいためである。
息を口から吐く時間は、大体吸っているときの2倍の時間を目安にするとよい。息を吸う事より、吐く(吐き切る)事に意識を向ける。
鼻を通した吸気は、身体的に神経系を落ち着ける効果がある。また、意識を呼吸に向ける事で、不安や緊張からそらすことも狙いである。結果、体と心を同時に落ち着ける効果を持つ。
お腹を動かす
腹式呼吸は、腹(脇腹を含む)を膨らませて行う呼吸法である。この時、胸部は動かさない。普通の腹式呼吸。腹式呼吸ができているか分からない人は、右手を腹部、左手を胸に当てればよい。右手(腹部に当てた手)のみが動くように呼吸することで腹式呼吸となる。より息を深くすることで、呼吸を整える。
呼吸法の手順
実際の手順は以下となる。
0. リラックスした姿勢をとる(ベルトはゆるめた方がやりやすい)
1. 鼻から息を吸う(口を閉じる) (目安:3秒前後)
2. 吸ったらポーズを1秒ほど入れる
3. 口から息を細く長く吐ききる(目安:6秒前後)
4. 1~3を3分以上繰り返す
自分は、上記に、イメージを追加してやっている。
息を吐く時に、吐く息と一緒に、不安や、イライラが出ているところをイメージしながらやっている。
自分は、何度か、緊張や不安を前にした時に実施してみたが、効く時はかなり不安感がおさまることは実感できた。しかし、場合によっては、全く変わらなかった。何度も続けることが大事だと聞いたので、仕事の合間にでも実施してみるとよい。
ストレスを知る
過去に、ストレスに対する思考(認知)の考え方を書いた。
今回は、ストレスに対する身体、行動、気分の反応について書く。
ストレッサーとストレス反応
ストレスのモデルは、ストレッサーとストレス反応で描かれる。
ストレッサーとは、自分に対してストレスを与える環境や原因となるもの。
「親からの注意されるのがストレス」「上司から小言がストレス」「人前に立つのがストレス」というように、日頃から何か嫌な思いをしているものでもある。
ストレス反応は、そのストレッサーからストレスを受けて起こる自分自身の反応である。
例1:「親からの注意された」結果、イライラし、強い口調で返す。
例2:「人前に立った」結果、不安になり、緊張して、声が小さくなる。
ストレス反応の4分類
このストレス反応は、4つに分類ができる。
1つは、思考(認知)であり、以前に詳しく述べた。
認知療法を学んできた - 黒猫のひとりごと
スキーマ(思考のクセ)を知る方法 - 黒猫のひとりごと
その他にも3つあり、ストレッサーからストレスを感じた時には、身体、行動、気分に反応が現れる。下の表は分類の一例である。
(各分類は、密接に関連しているため、どちらにも入る要素もある)
自分で振り返ってみて分かったが、思ったより多くのストレス反応が当てはまる。一覧で書くと、自分のストレス反応に当てはまるものがいくつも見つかる。
行動 | 外見に気を使わなくなる、貧乏揺すり、うろうろする、攻撃的になる、ミスが増える、生産性が落ちる、口調が変わる、独り言が多くなる、アルコール・タバコの量が増える、過食、食欲不振、引きこもる、寝れない、眠りが浅い、たくさん寝てしまう、声が小さくなる |
---|---|
身体 | 頭がボーっとする、頭痛、首や肩のコリ、目の疲れ、耳鳴り、だるい、口が乾く、歯ぎしり、奥歯を噛み締める、周囲が気になる、胃痛、便秘や下痢、汗を書く、手足が震える、動悸、呼吸困難、胸が苦しい |
気分 | イライラ、不安、悲しい、無気力、憂鬱感、やる気がでない、無感動 |
このストレッサーと、ストレス反応を知ることで、自分がどんな場面でストレスを感じているかを知ることができる。
ストレス反応、ストレッサーを知る
ストレス反応から、自分の知らないストレッサーを知ることもできる。
自身の例で言えば、知らず知らずに貧乏ゆすりしている自分に気がついた時に、今まで明確にストレスだと思っていなかった「会議のペースが遅い」ことにイライラしている自分にも気がついた。普段は、イライラしていることもその場が終わると忘れてしまうが、ストレスは少しずつ溜まってきてる。自分の気がつかないストレスは、慢性的なストレスとなり、知らないうちに溜まっていく。ストレス対処をするためにも、自分にとってのストレスをよく知る必要がある。
自分のストレスを知ることの利点
自分のストレッサー、ストレス反応を知ることで以下の利点が生まれる。
・ストレス対処できる
・コミュニケーションにも使える
ストレス対処できる
ストレッサーに直面した時に、それがストレスだと認識していることで、ストレス対処ができる。過去に、ぐるぐる思考について触れたが、過去の理不尽な事を思い出して、自分自身でストレスを感じてしまった場合でも、自身のストレス反応に気がつけば、止める対処がうてる。
ぐるぐる思考を止める方法 - 黒猫のひとりごと
ストレッサーを避けられる場合ならば、避けることもできる。ストレス反応が確認できた時には、休息、気分転換するなどの対処を適切なタイミングで実施できる。ストレスを溜めずに対処するにはまず、知らなければいけない。
他人とのコミュニケーションにも使える
思考(認知)や、気分は外に現れないが、身体や行動は外に現れるものもある。同僚や、部下のストレス反応を見ることで、他人を知り、気遣うことでコミュニケーションに使うことができる。ストレスを知ることは、自分にも、他人にも有効である。
大体の人は、多くのストレスを感じており、そのストレスが何か知っている。
しかし、「ストレスを紙に書き出してみろ」と言われると、案外書けない。
それはストレスがかかっていないのではなく、ストレスと自覚することが少なく、見逃しているからだと思う。
自分を見つめ直す前に、自分にとってのストレスを洗い出してみるのがよい。
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